石上洋の米国税務・会計 Vol6 『損益計算書 』

石上越智会計事務所では、月に2回、アメリカの税務などに関わる情報を配信しています。
今回のトピックは「損益計算書 」です。

損益計算書

損益計算書(Income Statement)

損益計算書は財務諸表の中でも貸借対照表(Balance Sheet)、キャッシュフロー計算書(Statement of Cash Flows)、株主資本等変動計算書(Statement of Shareholders’ Equity)と並ぶ、財務諸表四本柱の一つです。損益計算書は一定期間内における会社の損益を表しますが、読み取れる情報はそれだけではありません。計算に含まれる情報には様々なものがあり、その読み方、簡単な分析の方法を知ることで会社の経営状況に関する理解を一層深めることが出来ます。

損益計算書の種類

損益計算書には、大きく分けて単一区分損益計算書(Single-step)と区分損益計算書(Multiple-step)の二種類が存在します。単一区分損益計算書は単純に全ての収益と費用を列記することで、その期間内の損益を計算します。それに対し、区分損益計算書はより多くの計算と区分けを伴うため、より詳細なデータを得られます。

両者の大きな違いは、前者が課税前利益と純利益のみを算出するのに対し、後者は売上総利益(粗利益)と営業利益も表記されるということで、多くの企業は区分損益計算書を利用していますが、最終的に算出される純利益は両者とも同じです。

区分損益計算書の読み方

企業や業態により損益計算書に列記される科目はある程度増減しますが、一般的には表のような科目で構成されます。次に表を上から順に説明します。

-純売上( Net Sales) :
総売上から割引、返品を引いたものです。

-売上原価( Cost of Goods Sold) :
その名の通り、売上に対する商材の原価です。製造業の場合は人件費や材料費、販売業の場合は仕入費用などが含まれます。

-売上総利益( Gross Profit) :
純売上から売上原価を引いたものです。

-販売費及び一般管理費(Selling, General&Administrative Expenses):
減価償却費を含む業務全般に関連する費用がこの項目に含まれます。

-営業利益( Operating Income) :
売上総利益から 販売費及び一般管理費 を引いたもので、実際の業務から得られた利益を表します。この数値から、さらに通常業務に関係ない収益や費用(利息収入/支払いや会社が保有する株式の配当金等)を計上します。

-税引前利益( Pretax Income) :
課税前の利益です。この数値を基準に税務上の調整を入れた金額が課税されます。

-純利益( Net Income) :
その会社がどのくらいの利益を上げているかの指標となる数字です。この数値はマイナスになる事もあります。毎年の当期純利益を合計したものから配当金等を引いたものが利益剰余金となり、会社の資本として認識されます。

損益計算書の分析

純利益等の多寡をただ見比べるだけでなく、簡単な計算による分析を行うことでより詳細な経営状況が見えてきます。例えば、純売上に対する営業利益の割合を見ることで、売上1ドルにつきどれだけの利益が得られているのかが分かります。表では15.80%(2万4800ドル÷15万7000ドル)です。

また、売上総利益に対する営業利益の割合は、業界全体の平均と比べることで経営効率の指標となります。表では26.38%(2万4800ドル÷9万4000ドル)です。業界全体の平均値がこれよりも高ければ会社の経営に何か非効率な部分があるかもしれない、という予測を立てることが出来、業績改善の糸口をつかむことが出来るかもしれません。

企業の損益は税金を払い終わった時点で確定します。しかし、税金を支払う前の利益を純利益として考えてしまう経営者も多いようです。その結果、税金を支払うことで損をしているような錯覚に陥り易くなります。実際の利益は税金を支払った後に残ったものなので、税金を必要経費として考えることは重要です。


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