石上洋の米国税務・会計 Vol.16『FICA (連邦保険拠出法税) チップ控除』


石上越智会計事務所では、月に2回、アメリカの税務などに関わる情報を配信しています。
今回のトピックは「FICA   (連邦保険拠出法税) チップ控除」です。

FICA (連邦保険拠出法税) チップ控除

アメリカ当局の規定によりますと、飲食業を営み、下記の両方の条件を満たす雇用主の方は、FICAチップ控除の恩恵にあずかることが出来ます。

1. 飲食物をお客様に運び、チップを受け取った従業員がいる。

2. 雇用主がそれらのチップに対してFICAを支払っている。

この控除は、申告されたチップ収入に対して雇用主が支払ったFICA(ソーシャルセキュリティーとメディケア)、7.65%に対するものです。例えば、年間5万ドルのチップを申告していると、5万ドル×7.65%=3825ドルの控除が、年間10万ドルのチップを申告していると、10万ドル×7.65%=7650ドルの控除が得られます。前述したように、チップを5万ドル申告した場合Aと10万ドル申告した場合Bの違いを見てみましょう。

1) 申告額を総所得に加えます。それぞれ、 チップを加えた総所得( 18万ドル)からチップ(5万ドル/10万ドル)と経費(5万ドル)を引きます。

A. 18万ドル- (5万ドル+5万ドル)=8万ドル

B. 18万ドル- (10万ドル+5万ドル)=3万ドル

2) コーポレーションの税率を基に税額を確定します。

A. 8万ドル×21%=16800ドル

B. 3万ドル×21%=6300ドル

3)2)で求めた税額からFICAチップ控除の額を引きます。

16800 - 3825(5万ドル×7.65%)=20625ドル

6300 - 7650(10万ドル×7.65%)=-1350ドル

Aのチップ申告額が少ない場合は20625ドルの支払い義務が発生し、B.の申告額が多い場合はマイナス1350ドルとなっていますが、還付金は得られません。しかし、一年繰り戻って、または二十年繰り越して、支払い義務のあるときに控除を取れます。

  • 現金のチップ

雇用主は従業員が受け取った全てのチップを当局に申告する義務があります。その為に、従業員はシフト終了時、その日に受け取った現金のチップを雇用主に申告しなければなりません。 クレジットカードのチップは雇用主側が管理できるので、それぞれの従業員へ渡す予定の金額を記録しておきましょう。 また、全てのチップに対して控除を取れる分けではないので、ルールを確認しましょう。 

10人以上従業員を抱えている飲食業経営者は、年に一度、確定申告と一緒に受け取ったチップの総額を当局に申告します。そのチップの申告額と飲食物の総売り上げの割合が合理的でないと当局に判断された場合、調査に入られる恐れがあります。

雇用主は、従業員のチップ申告に対して大きな教育責任があります。従業員が正しく申告しなかったという言い訳は通用しません。申告漏れはペナルティーの対象となるので、毎日チップと売上げの割合をチェックし、従業員が間違った申告をしていないか確認しましょう。

  • 連邦とカリフォルニア州の最低賃金の違い 

アメリカの公正労働基準法(FLSA)では、チップの発生する従業員の最低賃金は、時給2.13ドルとなっています(チップの時間平均と最低賃金の時給2.13ドルの合計が連邦の最低賃金である時給7.25ドルを上回り、毎月30ドル以上のチップを受け取っている場合)。しかしながら、カリフォルニア州ではチップの発生する従業員に対しても、州の最低賃金である時給8ドルを支払うことが義務付けられています。その他の州を見てみますと、連邦のルールを適用していることが多いです。カリフォルニア州ではそれらの州と比較して、およそ四倍もの最低賃金がチップを受け取ることが保証されています。


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