石上洋の米国税務・会計 Vol.28「慰謝料と養育費の違い」


石上越智会計事務所では、月に2回、アメリカの税務などに関わる情報を配信しています。
今回のトピックは「慰謝料と養育費の違い」です。

慰謝料と養育費の違い

離婚後に確定申告をする際に慰謝料と養育費の違いを把握していた方が有利です。なぜなら、慰謝料は所得としてみなされますが、養育費は所得とみなされないからです。
そもそも慰謝料と養育費の違いとは何なのでしょうか?

英語では慰謝料のことをAlimony 、養育費のことを Child Support と表現し、日常会話では同じ様な意味で使われることが多いです。 しかし正式には、夫婦間で所得の多い方が少ない方を援助するものが慰謝料、親権を持たない親が親権を持つ親を援助するものが養育費とされます。簡単に言うと、その支払いが離婚相手の為か子供の為かによって慰謝料と養育費の違いが決定されます。

【慰謝料】

慰謝料の支払いは確定申告で控除の対象となり、受け取りは所得の対象となります。確定申告で慰謝料の申告するには、夫婦合算以外の申告ステータスでなければなりません。そして、申告する際は、夫婦が別居(Legally Separated)か離婚していなければなりません。その他にも、慰謝料は現金、チェック、為替等で支払われている事や、夫婦が共に健在である事など、いくつかの条件を満たして初めて慰謝料と認められます。
※土地などの有形資産で支払われた場合は認められない。

法的に支払いの決められた慰謝料ではなくても、離婚後の経済援助は全て所得申告する必要があります。それらは広範囲にわたって考えられ、離婚相手の為に間接的に支払った家賃、病院代、ローン返済、光熱費なども慰謝料とみなされます。そして、これらの間接所得も毎年所得として申告しなければなりません。これらも現金、チェック、為替等の現金形式による支払いに限ります。現金以外の支払いや離婚後、相手の持ち家のための支払い等は含みません。


【養育費】

養育費の受け取りは慰謝料と違い、確定申告で所得とみなされません。反対に養育費の支払いも控除の対象となりません。これは、養育費というものが全て子供のために使われ、離婚時に協議された法的義務を果たす為に支払っている、という前提からなります。


【両方支払う場合】

慰謝料と養育費、両方とも支払う場合があります。その場合は基本的には離婚判決で金額が慰謝料と教育費と それぞれ 定められます。何の問題も無く定められた満額が支払われている場合は、両者の扱いは前述の通りです。しかし、何らかの理由で支払いが滞るケースが考えられます。

例えば、一年を通して養育費2 万ドル、慰謝料 1 万ドルの支払い義務があったが、何らかの理由で 2 万 5000 ドルしか支払えなかったとします。 この場合、慰謝料と養育費の内訳はどうなるのでしょうか?
どちらとして扱われるかによって、払い手の控除額と受け取り手の所得額が変わってくるので大きな問題です。

一般的に考えると、教育費2対慰謝料1の比率で分けるのが合理的と思われがちです。しかし、税法では決められた総額より少ない金額を受け取る場合、その支払いはまず養育費に充てられ、残りを慰謝料として扱うよう定められています。なので、このケースは2万5000ドルの内、2万ドルが養育費、残りの5000ドルが慰謝料ということになります。言い換えると、支払い手は2万5000ドルの支払いの内5000ドルしか控除として計上することができません。


【注意点】

税金対策として、慰謝料としてではなく養育費としてお金を受け取る方もいますが、子供が成人あるいは結婚した後も受け取り続ける場合、全て慰謝料とみなされてしまいます。反対に、慰謝料が養育費扱いに変わる場合もあります。

例えば受け取り手が亡くなった場合、慰謝料として支払われていてもそれは養育費とみなされます。その他、税法のルールがあるので注意が必要です。弊社までお気軽にご相談ください!

【訂正】

・2018年12月31日以降に下された離婚判決は、 今年から控除できなくなりました。受け取り側も所得の対象になりません。

・慰謝料とは、精神的苦痛・被害に対して支払う損害賠償のことであり、 Spousal Suppor(またはAlimony)は損害賠償(慰謝料)ではありません。 (カリフォルニアではSpousal Supportと言います)。今回の場合、Alimony・Spousal Supportは、 配偶者扶養費のことを意味します 。


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