石上洋の米国税務・会計 Vol.29「キャピタルゲインロスってなんだろう?」


石上越智会計事務所では、月に2回、アメリカの税務などに関わる情報を配信しています。
今回のトピックは「キャピタルゲインロスってなんだろう?」です。

キャピタルゲインロスってなんだろう?

キャピタルゲイン・ロス(Capital Gain・Loss)は日本語で資本損益と表現され、資産購入時の値段が売却時の値段を上回る場合は資本利益、反対に下回る場合は資本損失となります。これらの取引があった場合は、利益が出ても損失が出ても基本的には確定申告書に載せなければなりません。近年ではビジネスを行っている方以外でも個人で、仮想通貨を含む投資物件の売買をする方が増えているので、ルールを理解しておくと確定申告を行う際に便利です。

資本資産(Capital Assets)

車、家、服などの「個人使用目的の資産」、投資信託、株式、債券などの「投資目的の資産」を総称して資本資産と呼びます。これらの売却益と「投資目的の資産」の売却損は確定申告に載せる必要があります。しかし、「個人使用目的の資産」の売却損は確定申告に載せることができません。「個人使用目的の資産」の売却益は申告しなければならないが、売却損を申告出来ないのは論理的でない、と思われるかもしれません。しかし、この損失分は個人使用時に補填されていると考えると納得できるでしょう。

例えば、100ドルで買った服を1年着用後に30ドルで売ったとすると、70ドル分の商品価値は自分で使ったと考えられます。なので、その70ドルの損失を申告することは逆に論理的ではありません。

損益の扱い

アメリカの税法上では資本利益に対する税率が通常利益(Ordinary Income)に対する税率より低く抑えられています。そして、資本損失と通常損失(Ordinary Loss)をどの利益と相殺できるかということも細かく決められています。一般的に、資本利益と資本損失、または通常利益と通常損失という同じ種類同士での相殺は無制限です。そして、資本利益と通常損失の相殺も無制限です。

しかし、資本損失と通常利益の相殺は3000ドルまでという制限付きです。これらの取り決めから、何を売却したときに資本損益で何が通常損益かを定義することは重要になってきます。

資本資産の定義

税法上では何が資本資産か、という定義はされていませんが、何が資本資産でないか、という定義はされています。その例を次に述べます。

在庫

この定義はビジネススタイルによって変わります。例えば、中古車販売ビジネスで車の在庫を売って利益が出た場合、通常利益となります。しかし、一般的な企業が所有する社用車を売って利益が出た場合、資産利益となります。

売掛金

品物を売却したけど代金を受け取っていない状態を売掛といい、その金額を売掛金といいます。その売掛金を顧客より回収できた場合、損益は発生しません。しかし、ビジネスでは売掛金を金融機関などに元本より低い値段で売却する場合があります。例えば、10万ドルの売掛金を8万ドルで売却した場合の損失は2万ドルで、その2万ドルは通常損失として処理されます。

固定資産

ビジネスで使用されている固定資産は基本的に資本資産として認められません。しかし、一年以上保有した(1)ビジネスで使用されている固定資産か、(2)減価償却可能な資産を売却した場合は扱い方が変わってきます。

もし利益が出た場合、資本利益として扱われ、低い税率が適用されます。逆に損失が出た場合、通常損失として扱われ、通常利益や資本利益と相殺することができます。(前述のように資本損失と分類されると3000ドルまでしか通常利益と相殺することができないが、通常損失と分類されるとより大きな金額を相殺できるので得である。)

著作権など

(1) 音楽作品、美術作品など納税者自身が創造したもの
(2) 手紙、メモなど納税者のために創造されたもの
(3) (1) か (2) で納税者自身が価値を決められるもの

は資本資産ではありません。

次回はキャピタルゲイン・ロスの税率についてなどもう少し掘り下げたいと思います。


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