石上洋の米国税務・会計 Vol.45「時効(Statute of Limitations) 」


石上越智会計事務所では、月に2回、アメリカの税務などに関わる情報を配信しています。
今回のトピックは「時効(Statute of Limitations)」 です。

時効(Statute of Limitations) 

「納税する義務」や「還付を受け取る権利」には時効があることをご存知でしょうか。もし4 年前の確定申告書に「所得の申告漏れ」や、「税金の過払い」をを発見したら、どのように対処するべきでしょうか。

税務調査

確定申告に間違いがあったら、修正して提出しなおすのが一般的です。しかし、それを怠ると米国国税庁(IRS)や州の税務当局から調査に入られる可能性があります。これは、税務当局が把握している納税者の情報と、提出された申告書を照合して違いがあると起こりやすいです。納税者が給与所得のある時に受理するW2や個人事業などの収入のある時に受理するForm 1099MISCといった書類は、本人だけでなく税務当局にも提出されていることを忘れてはなりません。

その他にも、整合性の取れない経費が計上されていると、裏づけの取れる資料の提出を求められ、内容を精査される可能性が高いです。 そのほかにも個人事業主の方でScedule Cを提出される場合は、警戒されやすい経費があります。 自宅を経費として計上したり、ガソリンを実費で経費計上すると、調査されやすい傾向にあります。

それ以外にも、ランダムで税務調査対象に選ばれてしまいます。

納税の時効

税金には時効があり、その期間は「申告書の提出日」と「数字の精度」の2点で決められます。「申告書の提出日」を基準に考えると、4月15日の締め切り以前に申告書を提出したら、その提出日から数えます。延長申請をし、4月15日以降に申告書を提出した場合は、その提出日から数えます。これはあくまでも申告していることが条件となります。申告していない場合は、時効というのはありません。

次に「数字の精度」です。申告漏れの割合が、所得の25%未満は3年、所得の25%以上は6年経つと時効となります。例えば、2019年の申告書を、2020年4月15日に提出します。提出した申告書に 25%以上の収入の申告漏れのある場合 は、2020年4月15日から6年後の2026年4月15日に時効成立となります。

税金の支払い義務の時効は10年です。納税額が確定した日付から数えられるので、申告書を提出した日であったり、IRSが調査に入り納税額が確定した日であったりと様々です。この10年間のうちにIRSは税金を回収しなければなりません。

上記ケースが起きることを想定し、個人・法人、共に、申告に関連する書類は時効成立までの最低3年間は保管しておきましょう。

利子と罰金

税務調査に入られて追徴課税されると、金利と罰金も付いてきます。その金額は4月15日の納税期日から加算されていきます。例えば、2018年度申告書の納税期日は2019年4月15日になります。もしその後、税務調査に入られて追徴課税された場合、2019年4月15日(もしくは2018年度の予定納税のタイミング)から金利と罰金が加算されます。連邦から追徴課税されたことにより、州からも課税される場合がありますので修正が必要となります。

最後になりましたが、「4年前の所得申告漏れ」への対応は3通り考えられます。

<申告書を提出しいる場合>
①25%未満の申告漏れであれば、時効成立のため対応は必要ありません。
②25%以上であれば、時効未成立のため修正申告の必要があります。

<申告書を提出していない場合>
③提出する必要があります。もし4年前の申告に「税金の過払い」を発見しても、3年経ってしまっているため時効となり、残念ながらその過払い分の還付を受け取ることはできません。

お手伝いが必要な方は、taxreturn@iiocpa.comまでお気軽にお問合わせください!!!


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