石上洋の米国税務・会計 Vol.46「老後に向けた株式の運用 」


石上越智会計事務所では、月に2回、アメリカの税務などに関わる情報を配信しています。
今回のトピックは「老後に向けた株式の運用」 です。

老後に向けた株式の運用

世界経済の状況や各企業の運営方針によって、株式価格は激しく上下します。しかし、短期的に損失が出ていても、長期的には利益が出ることがここ数十年の統計から実証されています。

運用方法

課税投資口座(Taxable Investment Account)と繰延税金口座 (Tax-Deferred Account)を用いた2つの方法があります。前者は税引き後の資産を投資して、発生する利益に対しては毎年課税されます。それに対し、後者は税引き前の資産を投資して、引き出す時に課税されます。両者とも銀行や証券会社、仲介業者などを通して口座開設が可能です。

繰延税金口座

アメリカは累進課税なので、所得レベルが上昇するにつれて高い税率区分に入っていきます。この口座に入金して、所得が発生した時期に課税されることを避け、所得レベルの下がった退職後に引き出すことで、低い税率区分で課税されることになります。そして一括で引き出すよりも、徐々に引き出した方がより節税効果が高いでしょう。次に代表的な口座を紹介します。

個人退職金口座 (IRA: Individual Retirement Account)

個人それぞれが口座開設します。2019年から49歳以下は5500ドルまで、50歳以上は7000ドルまで入金可能となりました。一定額を超える高所得者は、入金額が所得レベルに応じて段階的に0まで減っていきます。年が明けてからでも前年度にさかのぼって入金することが可能なので、翌年4月15日の締め切り直前の税金対策として有効です。

確定拠出年金 (401(K): Defined Contribution Plan)

最初に雇用主が口座開設しなければなりらず、そこを通して従業員が入金します。2019年度は49歳以下は1万9000ドルまで、50歳以上は2万5000ドルまで入金可能です。IRAよりも入金可能額が高く、所得によって上限がないことが魅力的です。それに加え、雇用主のマッチアップも魅力の一つでしょう。これは、従業員の入金額と同額を雇用主が追加で入金するというもので、退職後の資産作りを推奨するという狙いがあります。

繰延税金口座の弱み

現行の法律では、投資関連の所得にはキャピタルゲイン税率と呼ばれる軽減税率が適用されます。これは最大20%なので、一般税率の最大39.6%のほぼ半分となります。課税投資口座で資産を運用して毎年税金を支払うと、この軽減税率を適用可能です。しかし、繰延税金口座を使用していると、引き出し時に全て一般所得とみなされ、最大39.6%の税率が適用されます。

ペナルティ

59歳以前に引き出すと自動的に10%のペナルティが課されます。しかし、401(K)は一定額を超える医療費、学費、死亡時や障害を負ったときにペナルティが免除されます。それらに加えIRAでは、初回の住宅購入(1万ドルまで)もペナルティが免除されます。いかなる事態にも備えて、ある程度は別の口座に蓄えておくべきでしょう。

最後に、他の方法や年金プランもありますので、税金の専門家とFinancial Advisorの両方から話を聞き進めるのがベストです!!


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